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生産システムの異常診断入門System Check

第35回 縦笛原理によるリーク検出の理論

パイプライン中を音響が無減衰で伝播するものとする。音響伝播の数学
モデルは次の波動方程式で記述される。

6-9

ここで,x:距離,t:時間,u:音の体積速度,u0:入力端における音の
体積速度ωuの”:入力端のコンプレッサにより生じるランダム体積速度,
C0:音速,p:音圧,pO:入力端における音圧,ωp:コンプレッサにより
生じるランダム音圧、ρ:空気密度,A(x):距離xにおけるパイプの
断面積。
パイプの各単管(仮想的に切った単管)の断面積が図6.8に示すように
行列{A(k)}で与えられる場合、区間0<ξ<2において式(6.9)に時間的
ラプラス変換を施すと次のようになる。

%e5%9b%b36-8

6-10

ここで、uk(s),ρk(s)はu(x,t)、ρ(x,t)のx=kl(図6.8参照)における
ラプラス変換である。F(ξ/C0,Ak)はx=klからx=kl+ξまでの伝達行列で
あり次式で与えられる。

6-11

ξ=l/2を式(6.10)に代入すると式(6.10)は[pk(s)uk(s)]tから
[pk+l/2(s)uk+l/2(s)]t(s)]Tへの空間的信号(音圧,体積速度)の伝達特性を
示している。
式(6.10)と同様に[pk+l/2(s)uk+l/2(s)]t(s)]Tから[pk+1(s)uk+1(s)]t
伝達特性はF(ls/2C0 ,Ak+1)であり、したがって[pk(s)uk(s)]tから
[pk+1(s)uk+1(s)]tの伝達特性は、

6-12

で与えられる。いま(音圧,体積速度)を〔前進波(体積速度)fk(s),後進波
(体積速度)bk(s)〕に変換する。この変換行列は

6-13

であり,〔ρk(s)uk(s)〕と〔fk(s)bk(s)〕は次式のよう関係づけられる。

6-14

式(6.14)を式(6.12)に代入して整理すると

6-15

となり,上式に式(6.11),式(6.13)を代入してまとめると

6-16-17

式(6.16)よりγkは前進と後進波の音響反射係数であることがわかる。上式より
もしも反射係数γkとAOがわかればパイプラインの断面積Akを求めることができる。
反射係数γkはパイプラインの一端から検出される音響信号にDurbin法(Durbin,
1960)を適用して求まるPARCOR係数に相当する(磯道,1974)。

次にリークのあるパイプラインの音響特性を考える。いま音響放射インピーダンス
Zのリークがkと(k+1)単管の間にあるとすると[fk(s)bk(s)]t
[fk+1(s)bk+1(s)]t)]Tに次の関係が成り立つ。

6-18

ここで、Fl(Z)はリークの音響特性で次のような伝達行列で与えられる。

6-19

式(6.18)に式(6.11)(6.13)および式(6. 19)を代入して整理すると次式
のようになる。

6-20

上式より

6-21

を得ることができる。ここで

6-22

%e5%9b%b36-9

である。式(6.21),(6.21)’は正常なパイプラインの式(6.16),(6.16)′
に対応し、式(6.22)のγkは前進波の反射係数、式(6.22)′のγkbは後進波
の反射係数である。式(6.22),(6.22)′を式(6.17)と比較してみると、
単管k、k+1の中間点または接点にリークがある場合、断面積Ak+1
単管とリークの代わり,リークのない断面積Ak+1+ρCO/Zの単管に入れ
換えたのと、音響的には等価な特性を持つことがわかる。
進行波に注目すると図6.9に示すようにρCo/Zだけ断面積が増加すると
考えられる。

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