FTのように1出力T(トップ事象),多入力Xi,X2,……,Xn(基本事象〉系を
記述する論理式は、一般に形式的に次のような論理式で与えられる。
![]()
ここで,f( )は、入力Xi,X2,……,Xnと出力Tの関係を表す論理関数で
ある。f( )の形式により論理関数は幾つかの形式に分類できる。ここで、
FTAのために重要な形式を幾つか紹介しておく。
(1)項和形式とカットセット

で表される形式を項和形式という。
上式で![]()
を項といい、項の論理和をとっていることから項和形式と呼ばれるのである.これを
FT用の記号6),7)を使って表現すると図5・5のようにOR-ANDs形となる。
この図から明らかに、集合
![]()
は、,トップ事象Tを引き起こすためのカットセットである。項![]()
の変数の数を、この項の次数(degree)といい
)で表す。
式(5.5)の各項の次数の和

を論理関数(5.5)の位数(order)という。
同じ入力
恐)一出力(Y)の関係を表す項和形式の論理関数は
多数存在する。このうち位数が最小の関数をその関数の中の最簡形式(simplest
form)という。
項和形式で与えられた論理関数の最簡形式は、前項(1)~(9)の法則を適用して
求めることができる。このようにして簡単化された論理式より逆にFTを作ると、これは
もとのFTに対して本質を変えることなく簡単化されたFTが作られたことになる。
与えられる論理式より系統的に最簡形式を求める方法としてVeitch図表を利用する
方法などがあるが、これらはスイッチング理論の標準的テキストにゆずる。
(2)NAND形式,和積の形式とパスセット
式(5.5)の項和形式で与えられた論理関数のNOTをとると

となる。いま、上式にdeMorganの法則を適用すると
![]()
となり、この形式をNAND形式という。さらにdeMorganの法則を適用すると

となる。これは論理和で与えられる論理関数の積である。これをFT用の記号6),7)
を使って表現すると、図5.6のようにAND-ORs形となる。

さらに式(5.7)に分配律を使って分解すると、再び項和形式

となり、図5.5と同じOR-ANDs形式で書ける。明らかに集合
![]()
はトップ事象を起こさない。したがってパスセットである。さらに式(5.8)のNOTを
再びとると、対合律より

となり、これにdeMorganの法則を2度適用すると

となり、Tは論理和で与えられる論理関数の積で与えられ、このFTは図5.6
のようにAND-ORs形式になる。