故障時間の確率分布関数の推定法を考える。推定は次の手順により行われる。
【手順1】
与えられる故障データより、例3.2に示した方法で、経過時間に対する信頼度
R(tk)、不信頼度F(tk),故障時間の密度f(tk)、故障率λ(tk)を求め、図3.2に
示すようなグラフを作る。
【手順2】
図3.3の正規分布、図3.4の指数分布、図3.5のワイブル分布、図3.6の
ガンマ分布、その他の確率分布関数を利用した密度関数あるいは、故障率
の曲線の形と、手順1で求まった故障時間の密度f(tk)あるいは故障率λ(tk)
のグラフを比較して、似ている確率分布関数を選択する。
【手順3】
手順2で選ばれた確率分布関数の母数を手順1で求まったf(tk)あるいは
λ(tk)に合う(フィットする)ように推定する。

故障するまでの時間間隔のデータが、t1,t2,・・・・・,tnで与えられ、データ数
がそれほど多くない場合には、次のような計算で推定することができる。

いずれの場合でも、データ個数をn、図3.7に示すように危険率をαと
すると、これらの区間推定は

で与えられる。ここでtαは、g(x)をt-分布の確率密度関数とすると
![]()
を満たす値でt-分布表から求めることができる。例えばα=1%では、
tα=2.576、α=5%では、tα=1.96、α=10%では、tα=1.64である。
x2(α/2,n-1)は自由度(n-1)のx2分布であり、x2分布表から求める
ことができる。


あるいは,R(t)=e-λtより、両辺のlnをとると次式のようになる。
![]()

この関数を利用し、図3・8のように横軸に故障時刻tk,縦軸に
-lnR(tk)をプロットして、この傾きから
あるいは平均寿命
が推定できる。
さらに、t=0からN個の部品の故障時刻をt=tfに至るまで調べた
ところ、部品は,t1,t2,・・・・・,tn<tfの時刻でn個故障したような場合

のようにも推定することができる。
ワイブル分布関数を利用した場合の信頼性関数は式(3.43)より
![]()
で与えられた。これより
![]()
となり、両辺でlnlnをとると、次式を得る。
![]()
この関係式を利用して、yk、xk、bを次のように定義する。
![]()

上式より式(3.63)はyk=mxk十bと図3.9に示すようにx一y
直交座標上の直線の式となる。x一y座標上に(xk,yk)をプロットし、
図的方法あるいは最小2乗法によって、この直線の傾き
より
mの推定値が求まる。またy切辺より
を求め
![]()
より母数t0の推定
が求まる。ガンマ分布、その他の分布関数が
選ばれた場合は省略する。