閉ループ系にフィードパックを施すことは、医者が患者に劇薬を投与するのと
同じくらい慎重でなければならない。なぜならば、図3.1に示した例のように、
フィードパックを施したことで、システムが不安定になり、その結果として、
システムを破壊しかねないからである。したがって、フィードパックを施す前の
閉ループのシステムの情報からフィードパックを施した後のシステムの様子が
推定できると、 きわめて有意義である。
閉ループシステムの特性はきまざまな方法で知ることができる。システムの
現象に物理学の法則を適用し、数学モデルを構築する理論的な方法、システム
の入力に正弦波、インパルス状の波形、ステッフ波を印加し、 その時の出力を
観測することでシステムの特性を認知する実験的な方法などがある。
周波数実験については例題2.7、第11回でも述べてあるがあらためてこの実験
手順を整理する。図3.6(a)に示すように、閉ループシステムの入力に角周波数
ωの正弦波を印加し、出力信号を検出し、これら入出力信号をたとえばペン
レコーダで記録する。このデータを図3.6(b)に示すように同じ時間軸上にプロットし、
入力の振幅Aiと出力の振幅A。の比 Ao/Aiあるいは20log10Ao/Aiと位相差φを
求める。これらの値を、入力正弦波の角周波数をω1, ω2,…, ωNと変えて求め、
図3.6(c)のような表を完成させる。この表を図3.6(d)に示すように横軸に周波数をlog
スケールでとり、縦軸がゲイン20log10(Ao/Ai )dBと位相差φの2本のグラフを求める。
このゲイン、位相差のクラフはボード(Bode)線図と呼ばれるものである。

閉ループ周波数応答実験結果は図3.6(d)のボード線図の形で整理され、

この線図を用いて,この開ループ系に直結フィードパックを施した後の
フィードパック系の特性が評価できる。