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連載 制御工学Control Engineering

第53回 安定判決

図3.7(b)に示されるような閉ループ系の安定性を図3.7(a)に示す開ループ系の
周波数応答を利用して判別する。
図3.7(a)の伝達関数G(s)が安定であっても、これにフィードパックを施した
閉ループ系が安定であるとは限らない.。G(s)の周波数応答が図3.8の実線で
与えられたとする。同図で位相が-180°になる周波数を位相交点周波数という。
また、ゲイン曲線が0dBになる周波数をゲイン交点周波数という。

42_img1

フィードパック系図3.7(b)にある入力を印加したとする。この入力には振幅が小さく
ても必ず位相交点周波数と等しい周波数仰の正弦波成分を含む(もしも含まなくても、
このフィードパック系をとりまく環境の中ではこのような成分が存在する)。
今、この位相交点周波数ωpをもった正弦波成分を εsinωptとしこの成分のみに
注目する。このとき、閉ループの出力信号は次のようになる。

42-equation01

ここにεaは出力振幅であり、図3.8のようにωpにおけるゲイン線図が0dBより小さい
ときにはa<1である。したがって、このような閉ループに図3.7(b)のようにフィードパックを
施すと、出力は同図に示すように

42-equation02
42-equation03

と一定値に収束し、振幅は発散せず閉ループ系は安定となる。もし、ゲイン線図が
図3.8の破線で示したようになっているとすると、ωp におけるゲインは0dBより大きく
なり、 a>1となる。このとき、

42-equation04

となり、εが小さい値でも出力の振幅値は増加し∞になる。この時の閉ループ系は
不安定となる。以上のことから、閉ループ周波数応答において、

42-equation05

の時、閉ループ系は安定となることがわかる。図3.8に示すゲイン余有とは、
位相交点周波数ωp において、ゲイン線図が0dBよりどれだけ負の側に
離れているかを示すものであり、ゲインをゲイン余有の範囲内で増加させても、
閉ループ系は安定であるという安定度の目安となるものである。
また位相余有は、ゲイン交点周波数ωgにおいて、位相が-180°にどれだけ
余有があるかを示しているものである。

 

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