これまで、ブロック線図の簡約化のいくつかの方法を述べてきた。次に、ブロック線図
のもう一つの等価変換であるブロック線図の分解について述べる。
ブロック線図は、表2.2に示したような各種基本伝達関数から構成される。このような
ブロック線図を積分要素と比例要素(特別な場合として微分要素)のみからなるブロック
線図に変換することをブロック線図の分解という。
表2.7に基本伝達関数を比例要素、積分要素(微分要素)に分解したものを示す。
図2.23(a)に①比例要素、②遅れ・進み要素、③一次遅れ要素、④積分要素、
⑤二次遅れ要素からなるブロック線図がある。
表2.7を参照し、 遅れ・進み要素、一次遅れ要素、二次遅れ要素を積分要素と比例要素
に分解すると,図2.23(b)に示すような分解されたブロック線図が求まる。ブロック線図の
中の伝達関数が表2.7の基本関数以外でより一般的に、
![]()
で与えられる場合も、この伝達関数を比例要素と積分要素に分解できる.式(2.28 a)は、
次のようになる。
![]()
これより


が得られる。この式より、ブロック線図をつくると図2.24(a)のような分解された
ブロック線図が求まる。このように分解されたブロック線図は可観測標準形という。
また、これとまったく等価で別の分解の方法があり、結果を図2.24(b)に示す。
この分解は可制御標準形と呼ばれる分解されたブロック線図である。
このように一般の伝達関数式(2.28a)がブロック線図に含まれていても、 図2.24(a)
あるいは(b)を用いて、ブロック線図は必ず分解することができる。

分解されたブロック線図を用いると、後述するブロック線図と等価な一階連立常微分
方程式(状態方程式)あるいは、等価なアナログシミュレーション回路を容易に求める
ことができる。