【ケース1】
いまシステムに異状入力e(t)が存在しないことが確認できる場合、すなわち
e(t)=0,E(iω)=0
の場合を考える。式(7・10)より周波数領域での入出力関係は次のようになる。
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ya(t)、x(t)は既知であるからYa(iω)、X(iω)も既知である。
したがって
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よりH(iω、p1、p2、……、pn)が求められる。このスペクトル関数はシステムの
伝達関数あるいはシステムの周波数応答と呼ばれている。
いまこの伝達関数にフーリエ逆変換を施すと

とシステムのインパルス応答が求められる。
式(7・12)、(7・13)のシステムの伝達関数はFFTで近似計算できる。
システムが正常と判断できる場合、上と同じ手順でシステムの伝達関数
あるいはインパルス応答関数が求めらる。
いまこれらをそれぞれH(iω、p1、p2、……、pn*)、h(t、p1、p2、……、pn*)、
とする。システムの異常はこれらの正常な伝達関数、インパルス応答関数と
式(7・13)のインパルス応答を比較することで検知できる。
システムの故障モードあるいは原因と、これらの伝達関数、
インパルス応答の形が1対1で対応づけられ整理されていれば、
これよりシステムの異状診断が可能である。
【ケース2】
いまシステム故障が存在しないことが確認されており、システムの伝達関数H
(iω、p1、p2、……、pn)がわかっている場合、すなわち
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の場合を考える。式(7・10)より測定値ya(t)のフーリエ変換は
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であり、これより入力のスペクトル関数{X(iω)+E(iω)}を推定すると

となる。この両辺をフーリエ逆変換すると

となる。制御入力x(t)は既知であることより、e(t)は次のように推定される。

これより異状入力が推定でき、その診断が可能である。
式(7・16)、(7・17)の計算はディコンボルーションと呼ばれFFTを
使用して近似計算される。
ただしこの計算はya(t)の測定ノイズに敏感であり計算には注意を要する。