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連載 制御工学Control Engineering

第9回 フィードバック制御システムの設計 その1

フィードバック制御系の設計は、ほかの設計問題とだいぶ異なります。
第8回⑧の制御部でも示したように性能の悪いシステムの特性を改善する
のがこの設計の目的であり、常に改善されるべき対象が与えられている。

この意味において、フィードパック制御系の設計問題はシステムの特性改善
設計と呼ばれることもあります。しかし、システムのなかには制御なしでは
動作しえないものもあり、 このような場合、フィードパック制御は単なる特性
改善設計ではなくなります。

このような設計の特殊性を反映し,フィードパック制御系の設計手順は、
大きく分けて次のようになります。

① 制御対象の特性認知
② 制御部の信号伝達特性の決定
③ 制御部のハードウェアの決定
④ 計装制御システムの設計

①制御対象の特性認知

これから制御しようとする対象の特性を知ることなしに、制御系を設計することは
できません。特性認知はこのためのものです。
制御系の特性認知の程度、方法は制御対象のレベルによります。例えば、家庭用
の空調制御のために一人前のエンジニアが数日かけて制御対象である部屋の温度
特性や空調機の特性を調べるのは不経済です。家庭用空調が非常に高価のものに
なってしまう。
一方、1ミクロンの精度をもつ精密機械にフィードパック制御を応用する場合には、
優秀なエンジニアによる長期にわたる調査が必要になるでしょう。

制御対象の特性認知の最も簡単なものは、制御対象の入力(操作量)をステップ状に
変化させ、その時の出力(制御量)の過渡的変化から対象の特性を知る方法である。
この方法はステップ応答法と呼ばれています。

また多少、時間はかかるが正確な方法として、制御対象の入力を正弦波状に変化
させ出力で観測される正弦波の振幅と入力の振幅との比および位相の差から制御
対象の特性を知る方法もあります。このような方法は周波数応答法と呼ばれています。
周波数応答を得るほかの方法もあります。入力にOから広い周波数範囲でパワー
成分の存在する雑音を加え、その入力雑音と出力応答にフーリエ変換を施し、(出力の
フーリエ変換)/(入力のフーリエ変換)より制御対象の周波数応答を求める方法である。
制御対象設計時の設計データを利用し、 また経時変化したデータについては、統計的
な手法を利用して推定し、制御対象の特性を認知する方法もあります。

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