以上、式(7・44)、(7・45)はARモデル推定の
基本式で確定的な場合、統計的な場合の両者に適用できる。
{y(k)}が確定的データであり階級Mが正しく選ばれていれば、
推定分散は非常に小さい値になる。統計的データよりAEモデルを
推定する一方法である赤池法においては、階級Mの選択における
一つの目安としてFPE(Final Prediction Error)と呼ばれる評価量

を最小にするMを最適階数としている。確定的ARモデルの推定に
おいては上のFPEによる方法を目安とするか、
が急激に減少するMを選ぶとよい。
確定的データの初期値は、そのデータの対応する時刻における
推定値をそのまま初期化するか、あるいは推定された係数を
、i=1、2、……、Mを利用し、
再推定することが出来る。いま式(7・20)の係数行列Pの代わり、
推定値
、i=1、2、……、を利用し

とすると、式(7・20)、(7・21)を使用し、確定的データより推定された
ARモデルの状態方程式は次のようになる

ここで、ここで、x0は推定しようとする初期値である。いま、初期値x0の
もとで式(7・42)を解くと、

となる。上式の右側の式において、y(0)、y(1)、……、y(k)……は
推定データであり、cは既知〔式(7・20)で与えられている〕、
は
推定値〔式(7・47)〕でありx0だけ未知である。いま行列

とすると、式(7・49)の、右側の式は
![]()
となり、式(7・43)から式(7・44)を求めたのと同様にx0の
推定値
は
![]()
と求められる。
は式(7・50)の最小2乗解である。