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生産システムの異常診断入門System Check

第1回 異状・故障,異状診断を考えるためのキーワード20 その1

システムの異状診断について論ずるにあたり,必要となる用語を定義しその概念を
明らかにしておく。

システムと要素(system and element)

「システムとは多数の構成要素が有機的な秩序を保ち,同一目的に向かって行動
するもの」と定義されている。すなわち、システムとは、

(1)互いに有機的関係を有する多くの要素から構成されている。
(2)全体として統一され、一定の目的を果たす機能を持っている。

この定義に従う物、体制、理論、……はいくらでもあるが、本コンテンツでは製品の
生産を行う装置(生産システム)という意味で使うことが多い。システムには目的に
より、小規模、単純なものから大規模、複雑なものまである。
例えば、位置決め電気サーボをシステムと考えると、その中に含まれる直流増幅器
はその要素、サブシステムになる。しかし、電力あるいは電圧の増幅を主目的と考え
れば、その目的のもとで直流増幅器がシステムになりその要素はパワートランジスタ、
抵抗器、キャパシタ等である。

異状(abnormal)

システムが規定どおりに動作している状態を正常(normal)といい、そうでない状態を
異状という。異状の原因には、(a)システムを構成する要素、要素の組合せ部の故障、
(b)システムの運用の仕方の誤り、(c)予期できない外的影響、によるものがある。
異状はシステムの変量(systemvariable)(例えば電圧、電流、圧力、温度、変位、速度、
音圧etc。)があらかじめ指定されている許容範囲内か否かで検知できる
〔図1.1(a)参照〕。

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故障(fault,malfunction,failure)

システムあるいはその要素の変化、劣化、破壊により、規定されたシステムあるいは
要素の機能を失うことを意味する。
これは、システムあるいはその要素の特性、形状を表す係数(coefficient)の値(例えば
電気抵抗、流量抵抗、熱伝達係数、粘性係数、反射係数etc。)が許容範囲の外に
あるか否かで判定できる。故障は、システムあるいは要素としてまだ動作可能な故障
(fault)と動作不可能な故障(failure)に分類できる〔図1.1(b)参照〕。
故障が突然起こり完全に機能を失う状態を破局故障(Catastrophic failure)、次第に
機能が失われていく状態を劣化故障(degradation failure)という。

劣化(deterioration,degradation)

システムを構成する要素の特性が、物理的、化学的経時変化、摩耗等により規定の
特性以下になることをいう。システムあるいは要素の特性、形状を表す係数の変化と
して検出できる。

早期異状(incipient fault)

早期故障と同意語.故障の程度が軽く(failureでなくfault)、多少性能は落ちるが、
このままでも運転できる。ただし、このまま放置して運転すると、故障の程度が時間と
ともに悪化し、とりかえしのつかないシステム故障(failure)や事故を招く。

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