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連載 制御工学Control Engineering

第55回 閉ループ単位ステップ時間応答の推移

一般に、閉ループ周波数応答より閉ループ単位ステップ応答を求めるためには、
第22回 伝達関数と周波数応答で述べたフーリエ変換、フーリエ逆変換法を
用いなければならない。図3.3(a)に示すフィードパック系で、その一巡伝達関数の
(開ループ)周波数応答G(iω)が実験的に求められたとすると、このフィードパックを
施した後の周波数応答はG(iω)/(1+ G(iω) }となり、フィードパック系の単位ステップ
応答は、

allow 図3.3(a)はこちら

44-equation01

より求まる。ここでt-1は式(第23、24回 周波数応答とフーリエ変換)で示されている
フーリエ逆変換である。ところが、式(3.19)の計算はディジタル計算機による数値
計算を必要とし、周波数応答実験結果よりただちに閉ループ単位ステップの様子を
知ることができない。
そこで,ここではフィードパック系の単位ステップ応答が図3.4(b)のように減衰振動的
である場合について、閉ループ周波数応答における特性量であるゲイン交点周波数
ωg、位相余有φ(図3.8参照)より近似的にではあるが閉ループ単位ステップ時間応答
の最大行過ぎ量θ、最大行過ぎ時間Tmax(図3.4(b)参照)を推定する方法を紹介する。

allow 図3.4はこちら

図3.10(a)に示すフィードパック系を考える。このシステムは特殊な伝達関数をもって
いるように見えるが、多くのフィードパック系はこの型の伝達関数でモデル化できる。
このフィードパック系の入力から出力までの伝達関数は図3.10(b)のようになり、これは
式(3.10)の二次遅れ系となる。図3.10において0≦ζ<1として、図3.10(a)の閉ループ
周波数応答のゲイン交点周波数ωg、位相余有φと同図のフィードパック系全体の入力
に単位ステップを印加した場合のパーセント最大行過ぎ量e、最大行過ぎ時間Tmaxの
関係を求める。

44_img1

閉ループ周波数応答でゲイン交点周波数は、

44-equation02

を満たす周波数である。今、x=ω/ωnとすると、上式は、

44-equation03

となり、これよりxは、

44-equation04

となる。よってゲイン交点周波数ωgは次のようになる。

44-equation05

位相余有は、ゲイン交点周波数を用いて次のようになる。

44-equation06

を得る。以上より、式(3.14)のθ(最大行過ぎ量)、式(3.22)のφ(位相余有)および
式(3.23)のωgTmax (ゲイン交点周波数×最大行過ぎ時間)はすべて減衰係数ζ
との関数である。これら三つの変量を縦軸にとるグラフは図3.11のようになる。
このグラフを用いることで、 (ωg,φ)から(Tmax,θ)を求めることができる。
すなわち、φが与えられると、そのときのζをグラフより求め、そのζのときのθと
ωgTmaxをグラフより求める。ωgは与えられているので、求められたωgTmaxより
Tmaxが求まる。逆に(Tmax,θ)より(ωg,φ)を求めることもできる。

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