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生産システムの異常診断入門System Check

第29回 異常診断のためのセンシング

生産システムが正常か異状か、許容できる異状か許容できない異状か等、
システムの異状(健全)の状態を知るためには、システムから故障に関係
するデータを検出することが必要である。信頼性の立場から、システムの
状態とは、(1)システムにかかるストレスの状態、(2)システムの劣化
や故障の状態、(3)システムの耐久性(強度)の状態である。
これらのうち(1)、(2)の状態の定量的把握は特に重要である。(3)は
システムの設計のデータ、例えば使用された部品の信頼性、システムの構成
などから初期の耐久性は推定できるし、使用中の耐久性は(2)の結果からも
推定できる。したがってこれからは主として(1)のストレスセンシング(2)
のシステムの劣化や故障のセンシングについて述べるものとする。
それに先立ち異状検知の計測方式について少し述べておく。

(1)直接検知方式
システムに加えられる異状なストレスや、システム自体の劣化や故障に唯一
に直接結びつく物理化学量や、その変化を直接測定する方式である。システム
に大きな被害を与え、しかも安価なセンサで検出できるような劣化や故障であ
れば、この方式による異状検知は効果的である。このような場合、センサに
警報機器を付けると、これはその劣化故障の検出警報器になる。
しかし一般に、通常のシステムでは多くの部品、要素の故障が直接システム故障
を引き起こす(信頼性の意味で直列の)場合が多く、このような部品、要素すべて
に異状故障検出(警報)器を取り付けることは費用がかさむだけでなく、それら
の保全もやっかいになる。

(2)間接検知方式
劣化、故障に唯一に直接かかわる物理化学量が直接測定できない場合がある。
それらは例えば(1)直接故障にかかわる物理化学量を検出するセンサが
ない、(2)測定器が高価すぎる、(3)測定量に高レベルのノイズが混入
する、(4)その量を求めるために複数個の量を使った計算が必要である、
(5)異状検知のために多くの検出点から多くの量を検出しなければならない、
等である。現実にはこのような状況の場合が多い。このような場合、劣化故障
により影響を受けるであろう、容易で安価に計測できる幾つかのシステム変量
を計測し、この変量から劣化、故障の存在を推定することになる。コスト的
観点からは、システムにあらかじめ付設されている計測器の出力を利用する
ことが最良である。
間接検知方式のためのベースとなる手法として
(1)非線形。不確定性を含むシステムの状態観測器(stateobserver)
(2)最適な測定場所、システム変量の決定
(3)劣化、故障検知のために計測すべき物理化学量の決定
などが考えられる。(3)は与えられるシステムで個別的に決められるもので
ある。(1),(2)は比較的一般論として取り扱うことができる。本章後半部
で、これらについて具体例で説明する。

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