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生産システムの異常診断入門System Check

第23回 FT分析評価のための諸量

与えられるシステム故障の解析を行うに当たり、はじめシステムから得られる
システム故障情報に基づきFTを作る。このFTに後述する論理的演算、変換
を施しシステム故障の度合い、性質を調べることができる。以下そのための
諸量を定義する。

最小カットセット(minimal cut sets):カットセット(cut sets)とは、ある特定の
性質を持宅基本事象の複数個の集合である。すなわち、ある基本事象の集合
でこの中のすべての基本事象が起きたとき、トップ事象が発生するような場合
その集合はカットセットの一つである。通常は複数個のカットセットが存在する
が、それらの中でトップ事象を引き起こすために必要十分なカットセットを最小
カットセットという。

最小パスセット(minimal path sets):パスセット(path sets)とは、ある特定の
性質を持つ基本事象の集合である。ある基本事象の集合で、この中のすべて
の基本事象が起こらないときにトップ事象が発生しないようなものはパスセットの
一つである。複数個のパスセットの中で、トップ事象を引き起こさないための
必要最小限のパスセットを最小パスセットという。

トップ事象の生起確率:FTと基本事象の生起確率(要素の不信頼度)が
与えられると、トップ事象の生起確率が計算できる。トップ事象をシステムの
故障とすると、システムの不信頼度が求まったことになる。これはシステム全体
の信頼性の評価として重要である。

基本事象の重要度:幾つかある基本事象のうち、トップ事象の生起に大きな
影響与えるものがある。この影響の与え方は構造的に定まるもの(構造重要度)
基本事象の生起確率によって定まるもの(確率重要度)、そしてクリティカル
重要度と呼ばれる重要度の評価量がある。このうち構造重要度は特に大切
である。

以上の諸評価量をFTあるいは基本事象の生起確率から求めるに当たり、FT
から直接線図上で求めるよりFTをFTと等価な式に置き換え、式の上で計算
する方が容易であり系統的である。FTは、FT基本記号6)~12)からもわかる
ように、トップ事象と基本事象の論理的因果関係を線図で表したものであり、
Boole代数で定義される論理式で記述できる。次にBoole代数の基本的約束、
法則を紹介する。これは前述のFTAで使われる諸評価量の計算道具となる。

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