劣化量が増加し,その部品を使用してはいけない規定値に達したとする.使用開始
(t=0)して、この使用してはいけない状態に至るまでの時間をt=Lとすると、
Lをその部品の寿命という。いま寿命と定義される劣化量の規定値をxspとする。
式(2.3)より寿命Lは、
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で与えられる。式(2.6)に式(2.1)のKを代入して両辺の自然対数をとれば
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を得る。式(2.7)をグラフにしたものが図2.1(a)である。同図より、自然対数でとった
寿命は熱ストレスの逆数に比例し直線的に増加する。

ストレスが高ければ高いほど劣化が速く寿命が短くなる。この関係をArrheniusの関係という。
また熱以外のストレスSが増加すればαlnSに比例して寿命が短縮されることがわかる。
縦軸にlnL、横軸にlnSをとり、式(2.7)をグラフで表すと図2.1(b)のようになる。
寿命の状態と定義される劣化量xspの値を小さくとり、これをxl,このときの時刻をLl
とし、使用条件より厳しい幾つかの熱ストレス(高温での使用)、同じように厳しいその他
のストレスのもとで部品を実験的に使用し、図2.1(a)、(b)のようなグラフ
(縦軸lnLl)を作成する。
図2.1(a)に対応するグラフの傾きより式(2.1)の定数B、図2.1(b)に対応するグラフの
傾きより定数αが推定できる。またφ(xl、x0)の値がわかっていることより、上で推定
されたB、αを利用し

の関係からΛの値も推定できる。このようにして推定された係数を式(2.7)
〔あるいは式(2.6)のK〕に代入し、通常使用における熱ストレス、その他の
ストレス、寿命と定義される劣化量を同式に代入することで、その部品の通常
ストレス下での寿命を予測することができる。
式(2.7)の係数B、α、Λの推定に当たり、実験は通常の使用時のストレスに
比してはるかに厳しい状態で行われる。すなわち高温、高ストレスで実験は
行われる。さらに寿命と定義される劣化量の値xspより低いxlを仮の寿命状態に
ある劣化量としており、通常の状態で部品を使用する場合よりもはるかに短時間
で寿命期に至る。通常ストレス時の寿命、劣化速度、熱ストレス、その他のストレス
に添字rを付けてそれぞれLr、Kr、Tr、Sr、実験ストレスの場合には添字なしで
それぞれL、K、T、Sとすると、寿命が短縮される度合いALは、

となる。この係数は寿命加速係数と呼ばれている。電子部品や絶縁材料では
BはほぼB=3.4×10³~5.7×10³Kであり、室温から10°C上げるごとに1/2~
1/1.5に寿命が縮まる。コンデンサでストレスSを直流電圧とするとα=5、電球の
場合でα=13、鋼材の破壊の場合α=3~4である。