(1)保全を伴う場合
n個の要素から成るシステムがある.このシステムではどの要素一つでも故障
するとシステムが故障するものとする。このような要素は信頼性の立場から
いうと図4・11(a)に示すように直列に接続されているという。

いま図4.11(a)の要素iの故障率をλi、修復率をμiとし、この要素が故障して
いる確率をpi(t),i=1,2,……,nとする。システム全体が無故障である確率を
p0(t)とする。
いまこのシステムのシャノン線図、確率状態方程式、定常アベイラビリティ
を求めてみる。どの要素が故障しても、システムが故障するということより、
このシステムが時刻tより引き続く単位時間中で正常を保つ確率は1-
(λ1+λ2+……+λn)、正常状態から故障状態pi(t)、i=1,2,……,nに陥る
確率はλi、i=1,2,……,nである。さらに単位時間中に、故障状態pi(t)から
修復され正常状態p0(t)に復帰する確率はμi、i=1,2,……,nであり、修復
されないまま保たれる確率は(1一μi)、i=1,2,……,nである。
したがって、このシステムのシャノン線図は図4.11(b)のようになる。

図4.5の一般のシャノン線図と、式(4.49)、(4.50)の推移行列、確率推移
状態方程式の関係を利用して、図4.11(b)のシャノン線図から状態方程式
を求める。いまp(t)、p(0)を次のように定義すると

確率状態推移方程式は次式で与えられる。

よって行列Aは次のようになる。

pi(t)の定義より、p0(t)のみがシステムが正常である確率、他のpi(t)は
要素iの故障確率であるとともに、この要素の故障によるシステムの故障
の確率でもあるから、R(t)=p0(t)となる。したがって
![]()
と定義すると確率状態方程式は次式で与えられる。

![]()
この微分方程式を解くと瞬時アベイラビリティR(t)が求まる。次に、
式(4.45)を用いて定常アベイラビリティを求める。式(4.76)で与え
られる行列Aの第1行を[111...…1]で置き換え定常状態の関係式
を求める。

第(i+1)方程式i=1,2,……,nをμiで割ると、上式は

と書き換えることができる.これら(n+1)個の方程式すべてを辺々
相加えると

となる。保全係数pi=λi/μiを導入すると定常アベイラビリティは

となる。pi=λi/μi>Oであることより、保全が伴ったとしても、要素の
数nに逆比例して定常アベイラビリティは小さくなる。
(2)保全を伴わない場合
いま上述のシステムにおいて修復率をすべてOとする、すなわち保全を
伴わない直列システムを考える。この場合、式(4.76)より行列Aは

となり、確率状態方程式は

となる。この方程式の解は次のようになる。

このシステムの各要素の故障時間の密度関数が指数分布に従うものとし、
要素の信頼度を次のように与えると
![]()
式(4.86)より全体の信頼度は

となる。これをブロック線図で表したものが、図4.12に示される。
このようなブロック線図は信頼性ブロック線図(reliabilityblockdiagram)と
呼ばれている。
また、このシステムのMTTF(寿命)は次のように求められる。

例えば,各要素の故障率がすべて等しくとすると、このシステムの
MTTFは各要素のMTTFの1/nになる。